志望理由書例 慶應義塾大理工学部AO入試
AO入試の最難関、
慶應義塾大学における志望理由書の例文をUPします。
これはうちのスタッフが、名古屋大学大学院工学部博士過程在学時の2015年に作ったもので、情報が若干古いですが、書き方の参考にされてみてください。
ちなみに僕が添削しまくったものなので、水準は申し分ないものになっています。
慶應義塾大学の理工学部AO入試の志望理由書って、ググってもあんまりでてこないのです。今回は出血大サービスです。
こんにちは講師の久保です
【慶應義塾大学理工学部を強く志望する理由、および入学後、どのような分野・テーマについてどのように学び、どのような夢・希望を実現したいと考えているかを2000字以内にまとめてください。】
AIの進化は不可避であり、それは人間社会の根底を揺るがしかねない。私が望むことは「AIと人との『共存』関係」の実現だ。
AIというと、2013年公開映画「her」ではAIと人間の恋愛模様が、日本では「攻殻機動隊」や「サイコパス」など、AIによる社会の制御・管理が描かれてきた。これらの物語は、空想上の科学的創作、あるいは遥か何百年後の遠い未来の話と考えられてきた。しかし、フランスの小説家ジュール・ヴェルヌが言うように「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」と私自身思っている。この世界は実現し得る。しかも近い将来にである。
私がAIに強く興味を持ったきっかけは高校時代に参加したJSEC(高校生科学技術チャレンジ)であった。1年次は先輩の誘いでサポートメンバーとして参加し、そこで科学の楽しさを味わった。2年次にメインメンバーとして参加した二度目のLSECでは、「ヒトの感情判断AI」という研究で発表し、入賞することができたのだ。この研究では、2012年のGoogleの研究開発したDeep Learningを用いたネコ認識実験をヒントに、写真や動画に写っている人の感情を喜(楽)・怒・哀の三つのカテゴリーに分けるという研究成果を披露した。まだ限られた条件のもとでしか処理ができない段階であるが、Deep Learningの技術に触れることができたことに当時は満足した。
JSCEで入賞したことにより、Intel ISEF(Intel International Science and Engineering Fair)に参加する機会が得られた。そこでJSEC以上の衝撃を受けることになる。このIntel ISEFは、世界中から最高レベルの科学研究成果が集まり、その発表を目の前で当事者から聞くことができる。専門は違えど衝撃的な研究ばかりであった。その中でも特に感銘を受けたものが、MetaMindやSentient Technologiesが行っている莫大な情報量処理によるUI作成AI、Enliticが行っている医療画像分析AIの研究発表であった。私が発表した「人の感情判断AI」とは比べものにならない研究であった。同年代の学生が世界の舞台で科学者に引けを取らない研究を行っていたことや、同じ立場で意見交換をしていたことに対し、喜び、驚き、悔しさなどの様々な感情が入り交じり、とにかく圧倒されたのだ。
近年のAIでは,NaoやPepperのようなコミュニケーションロボットが身近になってきて、携帯電話販売店内にも置かれるようになった。人とロボットとの自然言語処理には課題が残るが、コミュニケーションロボットは既に実用可能なレベルにまで進化してきている。また、IoTの導入により、企業はあらゆる事象からデータを得られるようになってきた。処理のレベルではさらなる水準向上が必要とされているが、全てのモノとコトは繋がり最適化されていくだろう。AI技術は今まさに過渡期にあり課題も多いが、今後さらに指数対数的に向上を続け、我々はSF映画で描かれたような新たなるフェーズを迎えることになりそうだ。
しかし、AIは必ずしも歓迎される存在とは限らない。AIは仕事を奪いかねないのだ。すでに多くの仕事が機械化され始めている。例えばAmazonでは倉庫の商品管理に包装AIロボットを導入している。これによりAmazonは時間とコストとの大幅な削減を可能にできた。包装AIロボットは超巨大企業の利益を最大化するためになくてはならない。しかし、Amazonで倉庫管理をしていた労働者は、包装AIに仕事を奪われたことになる。Amazonに限ったことではない。これから人類はさらに大規模に職を奪われていく。英オックスフォード大学、マイケル・A・オズボーン准教授によると、小売販売員、会計士、セールスマン、秘書、飲食店接客員、各種運転手、コールセンター、講師、彫刻師など、あらゆる分野で実に702の職種がAIに奪われるという。米国の総雇用者の約47%の仕事が今後10~20年程度でAIに代わられる可能性が高いというのだ。
AIを歓迎しない極端な例では、映画「ターミネーター」のような世界も挙げられる。自我を持ったAIが人間を敵対視し、猛威を振るって来たらどうなるのであろうか。既に将棋や囲碁、戦闘機シミュレーションに至るまで、ことごとく人類は敗北を喫してきている。敵となったAIを止める術が人間にあるのだろうか。進化し続けるAIを人間は制御できるのか。果たして進化し続けるAIは人間と共存できる存在なのか。我々の雇用の安定以上に、恐ろしい結末が待っている可能性すらある。AIが人類の敵にならないという証明は未だ存在しない。
私は、理工学部管理工学科山口高平教授のもと、人とAIが相互に学びあって共に進化していく「知能共進化」型AIの研究・開発に携わりたい。AIと人との共存関係の1つの方針を設計したいのだ。私が感じているAIに対する期待と惧れについて、先端の現場で学び、解を出さなければならない。そのためにも、進学後二年間で基礎知識を身に付け、三回生になり知識量が増え始めた早い段階からAIに関する論文を読み始めるつもりだ。専門分野に籠るあまり思考が偏らないよう他分野の方々との交流も持ちたいが、貴学が多種多様な留学プログラムや他大学生や企業の方々との交流が盛んである点も心強い。理工学部生対象のダブルディグリープログラムでは、国際的な視野をもつことができる機会がありとても魅力的だ。以上より、貴塾で学ぶことが目標達成における最適解であると確信している。
やっぱ2015年当時のものということもあり、現在とはAl進化の認識が少し違いますね。
技術の進歩速し
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