慶應義塾大学 総合政策学部 SFC入試 志望理由書の例文
慶應義塾大学AO入試、志望理由書の例文シリーズを掲載します。今回は総合政策学部(SFC)のもので、2015年にうちのスタッフが作成したものです。例のごとく、慶應義塾大学の志望理由書例文は貴重ですので、参考にされてください。こんにちは講師の久保です
【総合政策学部・環境情報学部を志望した理由と入学後の学習計画,および自己アピールを自由に表現してください。】
私は、これからの時代に相応しい「新しい公共」を担うことのできる人間になりたい。民間において実践的な事業モデルを構築し、それを提示する形で政策提言を行っていきたいのだ。それを可能にする力を身につけるために、私は慶應大学総合政策学部への進学を希望する。
私には障がいを持つ弟がいる。そのため、私の家族はこれまでずっと、行政からの福祉を、ただ受け入れる立場にあった。私は幼い頃から、行政への感謝の気持ちを持つ一方で、行政による福祉に対して、不信感も持っていた。一律的な平等主義、前例主義、マニュアル的な対応に終始する柔軟性の無さなど、行政による福祉への疑問を抱き続けていたのだ。
高校入学の際、入学祝いに、叔父が1冊の本を私に贈ってくれた。その本は、私の福祉に対しての認識を大きく改める衝撃的なものであった。その本は駒崎弘樹氏の「『社会を変える』を仕事にする」である。NPO法人フローレンスを設立し、理事長として、病児保育問題の解消へと奮闘する社会企業家・駒崎氏の姿が綴られていた。行政からの補助金に頼らず、民間の知恵と力を結集して、社会問題を解決しながら収益をもあげる事業モデルを、現実化していくその過程に感銘を受けた。特に「国にパクられて一人前」という言葉を通じて提示される、「民間で理想的事業モデルを実践して国に模倣させる」というその手法には感動を覚えた。「行政による福祉に不満があるなら、民間で理想的モデルを作って国に模倣させればいい」という想いが私の中に湧き起こってきた。「駒崎氏のようにNPO法人を設立し、社会企業家となる」ということが私の目標となった。
私の気質は「思い立ったら行動に移さないと気が済まないところだ」と、よく友人等から言われる。駒崎氏の著作に感銘を受けたすぐ後のことだ。NPOの活動に興味を持った私は、代々木公園で催されたあるイベントに実際に赴いてみた。全国で活動するNPOを結集して活動紹介を行うという趣旨のイベントだった。そのイベントでNPO事業サポートセンター専務理事である池本修悟氏の講演を聴いた。NPOの世界の第一線で活躍されている池本氏の話は、企業とのコラボレーションの具体的事例や、社会貢献事業の宣伝戦略やIT技術の活用方法などに及び、大変に勉強になるものだった。イベント後、私は勇気を出して池本氏に直接話しかけてみた。熱っぽく語る私に、池本氏は親身になって応対して下さった。その時初めて、池本氏と駒崎氏がともに、慶應大学総合政策学部の鈴木寛ゼミ出身であることを知った。もう運命としか思えなかった。私も駒崎氏や池本氏と同じように慶應大学総合政策学部の鈴木寛ゼミで学びたい。その日以来、この想いは今日まで変わることなく続いている。
私は大学在学中に、「障がい者の居場所作り」を使命(mission)とした、NPO法人を設立したい。そしてその事業を行政からの補助金に頼らず黒字化し、大学卒業後には、全国規模でその事業を拡大し、将来的には行政から模倣されたい。慶應大学総合政策学部での学習や研究を通じて、在学中に、それを可能とする何らかの方法を見出したいと思っている。
そこに至るまでの具体的な学習プランとして私は以下の3つを想定している。
まずは、海外のNPOや民間企業などの事例を、授業を通じて学んだ上で、実際に現地に赴いて視察をしたい。その際に現地の方々と直接コミュニケーションを取り、熟議をすることができる語学力を在学中に身につけておきたい。英語はもちろんだが、フランス語やスペイン語などにもある程度通じておきたい。
次に法人経営に必要とされる、経営者的視点や、資金調達能力、合理的な判断力を身につけたい。学内の「ビジネスモデル構築プロジェクト」等に参加するのはもちろんのこと、学外でも、様々な企業の行っているCSR活動などにも関わってみたい。学生とのコラボレーション企画などの構想があれば、是非ともそれに参画して、企画提案なども行えたらと思っている。社会の一線で活躍されている方々との交流を通じて自分を成長させていきたい。
そして、同世代のライバルや、先輩達との交流を通じて、お互いに切磋琢磨したい。この社会を変革していく事業をともに行っていくことのできるような同志に出会いたい。特に鈴木寛教授の担当されている「新事業創造ワークショップ」には強い興味を持っている。こちらのグループワークに参加して、鈴木教授や諸先輩のご指導のもと、私もライバル達とともに、新たな事業創造の方法を、実践を通じて体得したいと思っている。
これまでの日本では「公共=行政のやること」という考え方が主流であった。だが、公共(public)は、必ずしも行政機関によって担われるものではなく、ひとりひとりの市民が協力し、支え合う中で作られていくものでもあるはずだ。近代の国民国家の概念が無効となりつつある現在、近代日本式の公共とは違った「新しい公共」のあり方が求められている。10年後20年後の私は、その時代に相応しい「新しい公共」を担うことのできる人間になっていたい。その力を身につけられる場所で私は学びたいのだ。以上の理由で、私は慶應大学総合政策学部への進学を希望する。
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