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勉強嫌いの僕が東京大学に合格するまでに選んだこと【合格体験記】

私はもともと勉強嫌いが激しく、小・中学生の頃は全く勉強していませんでした。

高校生になっても、そんな嫌いな勉強をとんでもない量こなさなければならない大学受験は苦痛でした。周りには勉強が楽しいと言っている人たちがいて自分もそうなれれば良かったのですが、残念ながら勉強が楽しいとはほとんど思えずに受験勉強を終えました。

私は勉強が嫌いなまま「東京大学 理科Ⅱ類」に合格しました。

勉強が嫌いと言っても、受験勉強をしなかったわけではありません。

私は現役で東京大学に0.3点届かず、1浪で合格しました。勉強が嫌いなことと、「勉強をしない」ことは全然違います。勉強が嫌いであっても勉強することはできますし、私のように普通の人間であっても東京大学に受かることもできます。

勉強嫌いと大学受験の狭間で悩んでいる皆さんに、私の経験が何らかのヒントになれば幸いです。

1,下位10番から東京大学に受かるまでの成績推移

私の中学1年生の成績はビリから数えて10番程度でした。高校1年生の時には下から数えて1/3、良くても真ん中下くらいの順位でした。

空いている時間は勉強に使っているつもりでしたがそれでもこの程度でした。

部活動を引退してからより受験勉強に集中して、学年の上位1/3以上は安定してきました。それでもなかなかその上には入れません。私の高校だと上位20%にはいないと東大京大や国立医学部などの現役合格は難しいとされていました。

受験直前であっても模試の判定はE判定ばかりでした。

大学の2次試験1ヶ月前もまだE判定でしたが、最後の1ヶ月でいきなり伸びはじめ、東京大学の前期試験本番では合格点にあと0.3点、後期試験では九州大学に合格しました。この時点で浪人することを決めました。

浪人生になってからは、一度だけC判定を取ってしまったことがありましたが、他のすべての模試がA判定でした。気を引き締めて取り組んだこともあり、私立大学も東京大学も余裕を持って合格することができました。

2,普通の人間ならではの東京大学受験戦略

私は特に目立った才能がないタイプの人間です。

私のような学生はオールラウンダーを目指すべきだと思います。

天才タイプならば何か特筆した科目があり、大学受験もそれだけで勝負できるかもしれません。私のような凡人が努力したところで、天才の領域には達することができないと思っています。

しかし、東京大学に受かる程度のことならば、天才である必要はありません。

特定の教科に依存してしまうと、科目数の多い国立大学、特に東京大学などはその教科の出来が悪かった時に取り返しがつかなくなってしまう恐れがあります。

多少の得意不得意はあるでしょうから、苦手な科目をその他全部の科目でカバーするというイメージで取り組むのが良いと思います。したがって特に受験終盤で過去問演習に入っている時などは1日にできる限り全ての科目に触れるようにしていました。

東京大学のように受験教科が多い場合は、得意な科目を作るよりも苦手な科目をなくす方が効果的なこともあります。苦手科目は出題傾向の変化があった際に影響を受けやすいですし、一方で得意科目であっても必ずしも高得点が取れる保証はありません。勉強するときは1日の中でいろんな科目に触れましたが、苦手科目の比重を高めるように勉強していました。

3,一番の苦労は、勉強しても成績が伸びないということ

受験や勉強で一番苦労したことは、よく言うことですが「勉強しても成績がすぐに結果になって出てこない」ことです。周りの友達が皆頭が良く感じられ、劣等感を抱くこともありました。

私は意識して自分の勉強に集中するようにしました。

良い成績の時だけ自分の到達点を把握するようにし、悪い時は自分の間違えたところを復習することだけしか考えないようにしました。

これが功を成しメンタル的に沈み込むことはあまりありませんでした。

受験生はご両親や学校の先生もそうかもしれませんが、できなかった部分にフォーカスしすぎているように感じます。もっとできるようになった部分を評価するようにしましょう。成績にはすぐに表れなくとも、勉強し続けることで学力は着実についてきています。

4,勉強嫌いな私は、勉強で修行することにした

私にとっての受験勉強は、勉強というよりも「修行」でした。

親に支えてもらいながらこのように思っていたことは無礼だったかもしれません。

高校の先生に「今が一番頑張れる時。ここでどれだけ頑張れるか、それが人生にとって大切だ。」と言われ、私は心を無にして勉強することが当たり前だと思うことにしました。

当然モチベーションが上がらない時はありました。ほとんどの人間はそういったところで手を抜いてしまうかもしれないけれど、自分はそうはなりたくない。そう思い毎日できる限りで勉強に取り組みました。

短期的には頑張ることはできても、それを継続することは簡単ではありません。

逆に言えば、継続できればそれなりの結果は保証されているとすら思います。実際、私は継続的な努力の結果、最初はほとんど上がらなかった成績が、後半にいくにつれ急成長していくのを実感していました。

こう言うと鬼のような勉強をしていたように聞こえたかもしれませんが、継続のために息抜きも大切にしていました。例えば眠い時に我慢せずに20分ほど俯して仮眠していました。うとうとしながら進めるより、キッパリと仮眠してスッキリした頭で取り組む方が効率的だと考えたからです。また、1時間に1回くらいは5〜10分くらいの休憩を挟みました。その時間は別に何をしても良い時間です。逆に勉強中は最大限に集中することを意識しました。

5,学校での過ごし方と自宅学習について

高校1年、2年次は授業中は普通に授業を受けていました。

授業中に内職をしている人もたくさんいましたが、自分は音声がある中で勉強することが苦手なので、先生の授業を聞いていました。

3年生になる頃には周りが受験モードになってきました。私は部活もしっかりとやりたかったので昼ご飯を昼休みの前の時間に早弁して、昼休み中はずっと図書室で自習したり、半分は勉強して半分は体を動かしたりしていました。ちょっとした空き時間があるときは英単語帳を見ることはしていました。

思い返してみると勉強時間はあまり意識していませんでした。

1年生の冬まではテニス部で、それから3年生の夏までは野球部に所属しており、その時期は平日2時間、休日5~6時間だったように思います。

部活動引退後は平日5時間、休日10時間くらいだったと思います。

ここで自分が言う勉強時間とは机に座っていた時間ではなく、真に集中して勉強に取り組めていた時間なので一般的な勉強時間で言うと1~2時間長くなるかと思います。

6,受験を振り返って、こうすれば良かったと思うこと

基本的に戦略的に受験対策を進められたのでほとんど後悔はありません。

ただ、理科の先取りと志望大学を決めることはもう少し早くからやっておけば良かったと感じました。

理科は私の学校では3年生の10月頃にやっと授業で単元の学習が完了したこともあり、その時点では十分な演習がつめておらず苦戦しました。

夏休み終わりまでに全分野の基本的な問題が解けるレベルに達していれば2次試験本番ではかなりのレベルまで成長できただろうと思います。

私が志望大学を東京大学に決めたのは、3年生の10月頃になってからでした。

目指す大学によって求められる能力が違います。(簡単な問題を正確に解けることが重要なのか難解な問題を時間をかけてでも答えを導き出すことが重要なのかなど)。

勉強法もそれによって変わってきます。進路を決めると言うのは容易なことではありませんが受験においては早く決められるほど有利だと思います。

7,東京大学入学後の印象の変化

東京大学に入学してから想像と違った点は、思ったよりも普通の人が多いということです。ふとした瞬間にやはり東大生だなと感じることはありますが基本的には普通な人が多く、テレビで見るような変わった人は1%もいるかどうかくらいだなと思います。

都会の進学校の人たちは中学校くらいから先取りしてきたのか思ったよりも受験で苦労した感じの人がいなくて、地方出身の人はちょっと変わった天才かかなりの努力家かの2択だなと言う印象を受けました。 あとは周りが根本的に頭がいいので、受験で相当の努力の上に合格した人は入学してからもある程度の勉強量を確保できないと落ちこぼれます。良くも悪くも進振り制度があるので、この分野を絶対に学びたいと言う強い意志がある方は他のレベルの高い大学を目指してみるのも選択肢だと思います。

8,後輩へのアドバイス

意外にも適度な運動と家族との時間は大切です。ずっと座っていると体が鈍ってきますし、血流も悪くなります。ちょっとした運動をすることは体の健康にも良く、精神的にもスッキリして安定します。散歩や簡単なストレッチだけでも取り入れても良いように思います。

受験はどうしても自分を追い込んでしまい、家族とのイベントや会話までも削ってしまいます。その辺のことは、受験生だとしても今まで通りで良いと思います。私はそれに気づくのに時間がかかってしまいました。

志望校は早めに決めてほしいですが、普段は常に志望校よりも1段階難しいところを目指して取り組んでほしいと思います。当時は無謀に思えても振り返ってみると案外目指せるレベルなので常に目標は高く成長し続けてほしいです。

私は空いている時間はほぼ全て勉強か部活に注ぎましたが、逆に言うとそんなに遊んで過ごすということはできませんでした。人それぞれ何を大切にするかは違いますし、もうその瞬間というのは取り戻せません。自分にとって今何が大切か考え後悔のないように全力で高校時代を過ごしてほしいと思います。

駒井 清了

東京大学 理Ⅱ合格 / 現・ロググラム講師