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鶴丸高校の進学実績(合格実績)分析ー現役率は?難関大率は?【2019年度版】

今回の記事では、鶴丸高校における難関国立大学の合格者数を現役・浪人別でカウントし、合格率(合格占有率)を算出しています。後半では、鹿児島で疎かにされている私立大学にもフォーカスを当て、難関私立大学が洒落にならないほど難関である事実を突きつけようと思います^^;

 

 

 

 

鶴丸高校の国立大学進学実績(2019年度、2018年度、2017年度)

 

過去3年間の合格実績一覧

 

※1学年当たりの鶴丸高校入学者定員は320名

平成31年 平成30年 平成29年
大学名 全体 現役 大学名 全体 現役 大学名 全体 現役
北海道大 2 1 北海道大 2 2 北海道大 2 2
東北大 1 0 東北大 2 1 東北大 1 1
筑波大 4 3 筑波大 6 2 筑波大 3 1
埼玉大 2 1 埼玉大 2 1 埼玉大
千葉大 2 2 千葉大 2 千葉大 3 3
東京海洋大 2 2 東京海洋大 東京海洋大
お茶の水女子大 3 1 お茶の水女子大 1 1 お茶の水女子大 4 2
電気通信大 電気通信大 電気通信大 2
東京大 9 3 東京大 9 1 東京大 12 5
東京外国語大 3 3 東京外国語大 2 2 東京外国語大 4 2
東京学芸大 2 1 東京学芸大 2 2 東京学芸大
東京工業大 1 1 東京工業大 3 東京工業大 4
東京農工大 東京農工大 東京農工大 4 1
東京芸術大 1 1 東京芸術大 東京芸術大
一橋大 6 4 一橋大 2 1 一橋大 1
横浜国立大 3 2 横浜国立大 6 4 横浜国立大 5 1
山梨大 山梨大 山梨大 1
静岡大 静岡大 静岡大 1
富山大 富山大 1 富山大
信州大 1 1 信州大 信州大
名古屋大 2 名古屋大 1 名古屋大 3
名古屋工業大 名古屋工業大 1 1 名古屋工業大
三重大 1 1 三重大 三重大 1
滋賀大 1 1 滋賀大 滋賀大
京都大 7 3 京都大 6 2 京都大 6 2
京都教育大 京都教育大 京都教育大 1 1
大阪大 14 7 大阪大 9 2 大阪大 16 9
神戸大 7 3 神戸大 6 2 神戸大 2 1
奈良女子大 1 奈良女子大 2 1 奈良女子大 1 1
岡山大 岡山大 1 岡山大
鳥取大 2 鳥取大 鳥取大
島根大 1 1 島根大 島根大
広島大 14 10 広島大 6 2 広島大 6 4
香川大 香川大 香川大 1 1
山口大 3 山口大 山口大
九州大 30 18 九州大 41 24 九州大 36 20
九州工業大 6 3 九州工業大 5 4 九州工業大 5 3
福岡教育大 4 3 福岡教育大 4 3 福岡教育大 2 2
佐賀大 佐賀大 1 1 佐賀大 2 2
長崎大 3 2 長崎大 5 1 長崎大 7 2
熊本大 18 11 熊本大 11 7 熊本大 13 6
大分大 1 1 大分大 1 大分大 1
宮崎大 1 宮崎大 2 宮崎大 1 1
鹿児島大 84 53 鹿児島大 92 54 鹿児島大 84 50
国立医学部 37 14 国立医学部 33 14 国立医学部 32 12
合計 242 143 合計 234 121 合計 235 123
難関大学合格者数 128 62 難関大学合格者数 129 58 難関大学合格者数 131 58
難関大占有率 40.0 19.4 難関大占有率 40.3 18.1 難関大占有率 40.9 18.1

 

今回の難関大学とは、東京大学、京都大学、大阪大学、北海道大学、名古屋大学、九州大学、一橋大学、東京工業大学、東京外語大学、お茶の水女子大学、横浜国立大学、筑波大学、国立大学医学部医学科と定義して統計を算出しています。

 

 

 

 

 

 

鶴丸高校の難関大学進学実績は現役で19.4%

 

上記の合格実績を分析していくと、鶴丸高校の2019年度難関大学合格者数は現役で62名、合格占有率は19.4%でした。

これは、2018年度、2017年度の実績と比較しても際立った差がなく、近年はこの水準で推移しています。過去二年間の難関大学合格実績は以下の通りです。

 

2018年度 難関大学合格者数は現役で58名、合格占有率は18.1%。

2017年度 難関大学合格者数は現役で58名、合格占有率は18.1%

 

※ 医学部医学科と難関国立大学のダブルカウントは引いています。

 

 

これはそのまま鶴丸高校に入学した320名の内、難関大学へ現役で合格した学生が58~62名であることを表し、18~19%程度が難関大学へ合格しているということになります。鶴丸高校に入学したとしても、九州大学以上の難関大学へ現役で進学できる学生は5人に1人もいないのです。これは鹿児島県民の抱く鶴丸高校のイメージとは差があるのではないでしょうか。

 

ちなみに、今年度、鶴丸高校における九州大学の現役合格者数は18名ですが、甲南高校では20名となっています。鶴丸高校においても確かに多くの九州大学受験者がいました。今回、甲南高校に部分的にですが抜かれた点はトピックスと言えます。

 

 

 

鶴丸高校の難関大学進学実績は浪人まで含め40.0%

 

次に、浪人生まで含む2019年度難関大学合格者数は128名、合格占有率は40.0%でした。

 

2018年度 難関大学合格者数は浪人含め127名、合格占有率は39.7%

2017年度 難関大学合格者数は浪人含め131名、合格占有率は40.9%

 

 

≪難関大学合格者数、現役:浪人比≫

2019年度 現役62名 浪人66名 (現役:浪人=48.4:51.6)

2018年度 現役58名 浪人69名 (現役:浪人=45.7:54.3)

2017年度 現役58名 浪人73名 (現役:浪人=44.3:55.7)

 

 

このように難関大学合格者の半分以上が浪人生における合格となっています。鶴丸高校の浪人率の高さは有名ですが、あらためて数字で見ると確かに高いと言えます。参考までに、2019年度甲南高校における難関大学合格者は「現役で29名、浪人で10名」であり、割合は「現役:浪人=74.4:25.6」となっています。甲南高校ではずいぶんと現役の割合が高くなっています。(それでも現役合格者数は鶴丸高校の方が2.1倍多いです)

 

鶴丸高校では積極的に難関大学を受験していることから浪人率が高くなっているというのが通説です。それは確かにそうなのですが、そもそもセンター試験の得点率が伸びていない印象もあります。一方で、意外にも九州大学程度の二次試験に対応しきれなかったという話も多く聞くようになってきました。単純に様々な要因から3年間で十分学力をつけきれなかった学生が多いのも事実でしょう。 

※合格占有率は入学時定員からの商で算出

 

 

 

 

鶴丸高校の私立大学進学実績(2019年度、2018年度、2017年度)

 

2019年度私立大学合格実績一覧

 

自治医科大学 3
青山学院大学 4
学習院大学 1
北里大学 1
国立音楽大学 1
慶応義塾大学 14
浦芝工業大学 3
順天堂大学 3
上智大学 3
成蹊大学 1
成城大学 1
昭和大学 1
中央大学 15
津田塾大学 3
帝京大学 1
帝京平成大学 1
東海大学 3
東京歯科大学 1
東京慈恵医科大学 1
東京女子大学 1
東京女子医科大学 1
東京農業大学 2
東京理科大学 16
東邦大学 1
日本大学 4
日本女子大学 1
法政大学 5
星薬科大学 1
明治大学 25
明治学院大学 2
明星大学 1
立教大学 5
レイクランド大学 1
早稲田大学 12
麻布大学 1
名古屋外国語大学 3
名城大学 1
京都産業大学 2
京都女子大学 2
同志社大学 17
立命館大学 26
龍谷大学 2
大阪医科大学 1
大阪経済法科大学 3
大阪工業大学 1
関西大学 8
近畿大学 10
摂南大学 2
関西学院大学 7
神戸学院大学 4
神戸女子大学 1
神戸薬科大学 2
兵庫医科大学 1
岡山理科大学 1
倉敷芸術科学大学 1
東亜細亜大学 1
久留米大学 6
産業医科大学 1
純真学園大学 1
西南学院大学 17
第一薬科大学 1
中村学園大学 1
福岡大学 26
福岡歯科大学 1
長崎国際大学 1
熊本保健科学大学 3
崇城大学 7
立命館アジア太平洋大学 3
九州保健福祉大学 1
鹿児島国際大学 1
志學館大学 2
第一工業大学 1
キリロム工科大学 1
合計 314

 

 

 

鶴丸高校の難関私立大学合格実績は現役で2%

 

まずは最難関私立大学、早慶上智からみていきましょう。

 

≪2019年度 早慶上智合格実績≫

慶應義塾大学 現役2名 浪人12名

早稲田大学 現役4名 浪人8名

上智大学 現役1名 浪人2名

合計 現役7名 浪人22名 (現役:浪人=24.1:75.9)

 

※ちなみに国際基督教大学(ICU)の合格者は現役・浪人ともに0名でした。

 

 

次にGMARCHと東京理科大学です。

 

 ≪2019年度 GMARCH+東京理科大≫

学習院大学 現役0名 浪人1名

明治大学 現役2名 浪人23名

青山学院大学 現役2名 浪人2名

立教大学 現役0名 浪人5名

中央大学 現役2名 浪人13名

法政大学 現役2名 浪人 3名

東京理科大学 現役1名 浪人15名

合計 現役9名 浪人71名 (現役:浪人=11.2:88.2)

 

 

最後は関関同立です。

 

≪2019年度 関関同立合格実績≫

同志社大学 現役7名 浪人10名

立命館大学 現役6名 浪人20名

関西大学 現役0名 浪人8名

関西学院大学 現役1名 浪人6名

合計 現役14名 浪人44名 (現役:浪人=24.1:75.9)

 

難関私立合計

現役23名 浪人94名 (現役:浪人=19.7:80.3)

 

 

鶴丸高校における難関私立大学は、これでもかと言わんばかりに現役合格者数と浪人生合格者数に開きがあります。難関私立全体を通しても1:4、GMARCH+東京理科に関しては、1:9となっています。簡単に言えば、現役生は全然受かってないのです。

 

大学別に細かく見てみると、最難関の慶応義塾大学には、現役で2名、早稲田大学には4名(早稲田には指定校推薦あり)、上智大学には1名しか受かっていません。しかも、私立大学は1人何校でも併願ができるため、実質この3校に一般入試の現役で受かっている学生は1~3名ほどです。鶴丸高校には入学時点で320名の学生がいることを考えると、0.31~0.9%程度しか最難関私立には受かっていないことになります。

 

 

これは、GMARCHや東京理科大においても同様です。GMARCHでは各々の大学における合格者は最大で2名となっています。東京理科大学では1名、立教大学と学習院大学は0名です。実は現在の関東圏の私立大学は著しく難しくなっています。以前のMARCHは九州大学等の旧帝大のすべり止め感覚で受けてもそれなりに受かる大学でしたが、今は驚くほど難しくなっています。上記の合格者数が物語っていますが、国立大学の片手間で受かる大学ではもはやないのです。

 

一方で、明治大学が現役2名であるのに対し浪人生では23名、東京理科大学は現役1名に対し浪人生では15名の合格者が出ています。ざっと12倍程度の合格者数が出ていることになります。関東の難関私立大学は、確かに難しい大学ではありますが、しっかりと大学と向き合い、合格に向けた十分な対策をすることができれば十分に手が届く大学でもあるのです。

 

鶴丸高校だけではなく鹿児島の公立高校全般に言えることですが、大学の情報がほとんどおりてきていないように思えます。特に私立大学については生徒が全く知らないという現状があります。そのために受験直前となって、聞き覚えのある有名私立大学を国立大学の併願校としてとりあえず受けてはみるものの、想像以上に難しくて合格に及ばない。これが典型的な失敗ケースです。

 

一方で浪人生の合格者数が多いのは、予備校が私立大学を積極的に受けさせるという背景もあります。浪人するからには大学に合格して進学しなければなりません。それゆえに、早めに併願校についても考えさせています。私立大学を受ける可能性があるのであれば、大学の概要や受験の難易度などは早めに知っておくべきなのです。

 

強調しておきますが、難関私立大学は対策をすれば十分に手が届きます。反対に対策しなければ上記の合格実績通りほぼ受かりません。

 

 

 

 

鶴丸高校の現状

 

上記の通り鶴丸高校の進学実績は以前ほど高くはありません。単純に全国の有名進学校に学力が追いついていないと言えます。今年度の高校3年生の駿台全国模試は、総合点で全国平均点から-50点ほど、偏差値にすると45~47程度となっています。鹿児島県トップの公立高校ですら、駿台模試で全国平均に遠く及んでいないのです。鶴丸高校の生徒を見ていて思うのは、学生一人ひとりは極めて優秀だということです。さすが中学時代に学年でトップ層にいて、公立高校受験でもしっかり受かりきった生徒たちだと思えます。

 

ただ、高校入学後、数学と英語においてかなり早い段階でつまずき、それを克服する暇なく2年、3年と進級してきてしまった学生がとても多いように思えます。鶴丸高校では非常に難しい内容を、早いペースで学習していきます。基本問題から応用問題への移行が他の進学校と比べてもとても急です。とても優秀であるはずの彼らが、そのペースには意外なほどついていけていません。

 

現役では難関大学の合格率は18~19%程度しかないのです。鶴丸高校に入学したら難関大学に入れるという時代ではすでにありません。もちろん県内の公立高校トップの合格実績であることは間違いありませんが、それだけ全国の進学校(特に首都圏の中高一貫校)が高い合格実績を出しています。鶴丸高校への入学が決まったら、部活動をしていても日々の勉強時間は2.5~3時間取ることが望ましいところです。また数学の予習や演習帳、英語の長文読解やリーディングプラクティスを土日や休日にどれだけ進めておけるか(予習を貯めておけるか)が重要となってきます。加えて鶴丸高校では膨大な宿題や課題が課されるため、ラサールと同様に一般的な塾と併用することが逆効果となる可能性が極めて高いと言えます。単純に塾に行ってる時間が物理的に学校の学習を圧迫してしまうからです。

 

鶴丸高校入学したからには、学校に丸投げするわけでもなく、塾に行って授業を受けるでもなく、鶴丸高校に即した学習計画と受験戦略が必要となってきます。

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